東京公演までに聞いておきたい16のこと(仮) 第2回 かのうとおっさんさん&若旦那家康さん

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中野劇団は2019年5月に東京・こまばアゴラ劇場で「10分間」を上演します。
10年以上ぶりの東京公演、初のこまばアゴラ劇場
東京公演経験のある関西の劇団にアドバイスをいただいて回ることにしました。

タイトルが(仮)なのは、東京公演までに聞いておきたいことが16も思いつかないかもしれないからです。



第2回は「かのうとおっさん」の嘉納みなこさんと有北雅彦さん、そしてこの日たまたま有北さんと会った若旦那家康さんにアドバイスをいただきました。


若旦那「(有北さんの手の甲を見て)けっこう(体毛が)生えてますね」

有北「毛生え薬は全体的に体毛が濃くなるんですよ」

中野「え! そうなんですか? でもじゃあ効いてるってことですね。いくらくらいするんですか?」

有北「月1~2万円くらい。けっこうしますね。携帯もう1台持つくらい」

中野「値段というか量は自分で決められるんですか?」

有北「提案してくれますね。だから携帯のギガ数増やすみたいな。いま増やしますかって訊かれてて」

若旦那「増やしたら増やしたで全体的に濃くなって」

有北「まあそう」

若旦那「じゃあ体毛濃くなるくらいならハゲをとるわ…」


─有北さんはどちらのメーカーのお薬をお使いなんですか?


有北「毛生え薬の話で終わりそうですけど大丈夫ですか!」


─正直、10年ぶりの東京公演なので何から聞いたらいいのかもよくわからない状態で…


若旦那「アゴラはとても協力してくれますよ。分からないことは電話すれば、担当の方が常駐してるわけではありませんが誰かが答えてくださいますし」


─あいさつが大事と聞いて緊張しています…


若旦那「普通で大丈夫ですよ(笑)」

中野「青年団の人数分のお菓子を持っていかないといけないとか」

若旦那「(笑)僕はどこにでも大阪っぽいお菓子は買って行きますけども。サービスエリアとかでも売ってるようなふつうのものですよ。
青年団と無隣館の制作スタッフなのでスタッフさんの人数は結構いらっしゃいますけど、みなさん常にいらっしゃるわけではないですからね。数はそんなに気にしなくて大丈夫です」


─今日いきなりお越しいただいてそんなに具体的に教えていただけるとは…


若旦那「稽古場代の支払いに来たら建物の1階でたまたま有北くんと会って…
所属しているコトリ会議のほか、突劇金魚の公演などでも何度か行ってますので、何かお役に立てることもあるかと」

有北「僕らよりは役に立つかと思いまして」

若旦那「チラシができたら1万部くらいはアゴラの公演に折り込んでもらえますし、Next(ネビュラエクストラサポート)のアゴラのチラシ束にも入れてもらえます。
僕はこまめに電話して、なくなりそうになったら大阪公演の折込数を調整して追加で送ってました。
間違えて送りすぎたときもちゃんと連絡してくれたり。
アゴラ以外で公演する関西の劇団との合同仮チラシも、本チラシより前だったんで相談してお願いしたりもしました」

かのう「うちはカンフェティを使いましたね。チラシ印刷と折込がセットになってるプランがあるので」

有北「関東と関西でチラシの印刷会社が違うから、チラシの色が全然違ったんですよ(笑)」

中野「関西の印刷会社はどこ利用してます?」

有北「グラフィックです」

中野「やっぱりデザイナーにはグラフィックが人気ですよね、うちも他社を利用してたんですけど宣伝美術担当からグラフィックがいいと言われて」

かのう「会社によってはチラシの刷りはじめと刷り終わりで色が違ったりしますからね。その点グラフィックは発色がいいですよね」

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中野「招待券、配ったりしました?」

かのう「うちは配らなかったですけど、配ったほうがいいのかもしれないですね。
かのうとおっさんは、まずルナティック演劇祭という数団体合同の演劇祭に参加したあと、単独で東京公演したんですよ」

中野「うちも本公演前にそういう合同イベントに参加したい、というか開催してほしいんですけどね…」

若旦那「アゴラは支援会員が200名弱いらっしゃり、演劇での発言力のある方が支援会員になっていたりするので、すごい話題の公演と被っていなければ、他地域で話題の公演は結構観に来てくれますよ」


─年会費フリーパス制の支援会員ですね。
どのくらいお越しいただけるものですか?

 
若旦那「コトリ会議は全8回公演で延べ120名の支援会員の方にお越しいただきました。
支援会員は予約や入場が優先される代わりに観劇料が劇団に支給されます(今年度はご来場1名につき1,000円)。
宿泊は、地方の劇団は何人泊まっても1日1,500円+シーツ代です(布団は10組まで無料)」

中野「安いですね」

若旦那「ただし、朝9時から夜22時くらいまで青年団さんや他の劇団で借りている劇団の稽古利用があることが多く、あまりゆっくりはできません。
で、昔は朝ブラブラしてたのですが、もったいないので最近は開演時間を11時と16時にしたんですね。夜は思い切って東京の知人と飲みに行ったり、芝居を観に行ったり」


─へえ!それはいいですね


若旦那「そのためにここ2年くらいは土日は徹底して午前稽古をしています。
11時開演だと、1日3本観る方は劇団を知らなくても結構観に来てくれたりするかもと考えて。アゴラは下北沢からも近いので。
ただ、金曜日に1日3ステージやってみたらお客様がバラけて…。金曜11時の回は20名くらいだったんで動員は失敗でした。けど、ふだんなら観に来られないライターさんに、その時間だったから観に来られたと言ってもらったりしました」


─難しいところですね。


若旦那「中野劇団はエントレのクォータースターコンテスト(動画コンテスト)で賞をとっているので、ご挨拶に行ったら取り上げてくれそうですよね」

かのう「シアターガイドさんは、記事にしてもらうなら2か月前くらいにご挨拶に行っておくとよいです」

若旦那「シアターガイドさんは、ご挨拶に行くと、写真を撮っていただけて『今月の訪問者』というコーナーに載せてくれたりしますね。
あと僕は、渋谷に行くときはぴあにアポをとってご挨拶に行くようにしてますね。
アゴラは下北沢が近いので、観劇三昧の下北沢店に相談したらイベントを推進してくれますよ」


─中野劇団は家庭もあるのであまりこまめに東京に足を運べなくて…。
現地でのイベントよりは、ネットを使った宣伝のほうが取り組みやすそうです。


若旦那「フォロワーが関西中心なのでツイッターでの宣伝は届きにくいんですよね。
オパンポン創造社さんとかは、向こうの人、東京につながりある人にハッシュタグ付けて書いてもらうとかをやってて、うまいなと思いましたね。
あ、中野劇団の公演、来年5月なら、CoRich舞台芸術まつり(インターネット上の舞台芸術祭。今年度グランプリはオパンポン創造社さん)もいけるんじゃないですか」

かのう「そうだそうだ」


─そうなんです。考えていただいてありがとうございます…!


中野「アフタートークとかってやった方がいいんですかね? 個人的には余韻を大切にして帰りたくて」

若旦那「僕は観てほしい人に観てもらうために呼んでますね。
ご招待してもなかなか足を運んではいただけないですが、アフタートークゲストとなれば来てくださる方もいるので。御礼を出すとしても観ていただけるならやる価値はあると思っています」

中野「以前にアフタートークが盛り上がらなかったトラウマがあって…」


─作演出抜きで、ゲストの方だけでトークしていただくのはどうでしょう(笑)
中野劇団をご存じの方と初観劇の方でトークしていただくとか。


若旦那「口コミが大きいので、公演期間をできるだけ長めにとったうえで、前半にそういうイベントを持ってきたほうがいいです」


─同じ4ステージでも、土日4ステージよりは金土日4ステージのほうがいいということですね


若旦那「あとはゲネプロ招待とか。大阪公演を先にやっていればゲネプロでもそんなに大崩れしないと思うので。どちらが先でしたっけ?」


─大阪が先です。5月2週にHEP HALL、5月4週にアゴラです。


有北「アゴラとHEPて」


─劇団員がやってみたい劇場をそれぞれ選んだ結果、サイズが全然違うんですよ…。


若旦那「アゴラって京都にあったアトリエ劇研みたいな形で、サイズも大阪のアトリエS-paceくらいですよ。キャパ70くらい?」

有北「アゴラサイズのほうが皆さん慣れてそうですよね、中野劇団は。HEPのほうがどう広げるかですよね。まわりオブジェ置くとか」

中野「HEPでのしくじりをリセットしてホーム感を出していけば…」

有北「なんでしくじる前提なんですか」

中野「で、招待もありますけどゲストを呼ぶことも考えたほうがいいと」

若旦那「有北くんとか」

有北「前に『10分間』大阪で上演したときにゲストで出てたけど(笑)東京での集客力は全くないのに」

かのう「私は観に行きますけどね」

中野「関西の劇団が東京公演しに行くのにゲストは関西から呼ぶって、交通費もかかるのに(笑)」

若旦那「いかにも客寄せ的なものより、変わったことしてんなぁくらいの方が面白いですね!」


─東京と大阪のお客様の違いは何かありますか?


若旦那「東京の人は面白くなかったらちゃんと面白くなかったって書いてくれますね。アンケートでもSNSでも。それに心折れずに書いてもらえるだけありがたいと思っておいたほうが。
知り合いじゃないから面白くないものはほめない」

かのう「関西のツイッターの感想は皆さんほめますからね」

若旦那「知り合いだったり、どこかで会うかもしれないとかありますからね」

中野「大阪より東京のほうがゲラ(すぐ笑う人)が多いですよね」

若旦那「笑いに来てくれている感じもします。大阪はこう(腕を組んで背もたれにもたれる)見てる人が多い?」

かのう「素直に笑ってくれますね。
関西より観劇人口は多いですよね?」

若旦那「一見さんがフラッと来る数は大阪よりもゼロひとつ多いですが、公演数も同じくらい多いので。
どうやって話題にしてもらうかですね」

かのう「ツイッター自体が廃れてきてるのもありますよね。私もほぼ見ないです。前は、いじめられてるの?ってくらい見てたのに、画面が割れてから」

有北「それは画面が割れたからでしょう(笑)
インスタに移行してるんですかね」

若旦那「Twitterでいうとリプライでインタビューみたいにしてモーメントを使ってまとめて読める宣伝を考えてるんですよ。どういう人が出演しているのか、作っているのか、人となりを分かってもらって、東京に知人が多い人を経由して繋がるために。
時間ができたらやろうと思って」

中野「色々考えてらっしゃるんですね」

若旦那「そんなことばかり考えてます」

かのう「関西って今どうなんですかね?あんまり盛り上がってないような…」

若旦那「それはかのうとおっさんが年1回公演になったから…」

かのう「そうかー」

有北「今日その結論ですか(笑)」

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若旦那「今年、クォータースターコンテスト(QSC)が開催されないじゃないですか」

中野「そうなんですよ、ネタ考えてたのに」

若旦那「中野劇団とかのうとおっさんで勝手にQSCをやってアップしてみたら…」

中野「(笑)」

若旦那「1団体だけだと悪目立ちしますけど。そういうバカバカしい目立ち方を」

中野「俺たちのクォータースターコンテストを」

若旦那「あとは東京の同級生に片っぱしから連絡を…」
 

─ありがとうございました!


東京公演までに聞いておいたことまとめ

若旦那家康さん:ふつうのお菓子でよい

かのうとおっさん:全体的に体毛が濃くなる



次回公演情報

かのうとおっさん
ブログ
http://blog.livedoor.jp/kanoutoossan/


若旦那家康さん(制作)
現代演劇レトロスペクティヴ
コトリ会議「髪をかきあげる」「ともだちが来た」
2018年11月15日~18日 伊丹アイホール
https://stage.corich.jp/stage_main/77114


中野劇団
第20回公演「10分間2019~タイムリープが止まらない」
2019年5月2週 大阪・HEP HALL
5月4週 東京・こまばアゴラ劇場



アドバイスいただける関西の劇団の方、mail@nakanogekidan.comまでご連絡をお待ちしております。